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コラム:気になるおなかの話

「青木まりこ現象」

2018.7

“青木まりこ現象

もう40年以上も前のことになりますが、私は高田馬場にある高校に通学していました。高校生の頃は本屋が好きで、帰り道によく本屋で時間をつぶしたものでした。高田馬場駅の近くに今も残っている芳林堂書店や昔BIGBOXにあった三省堂書店などをよくハシゴしたことを思い出します。

ところで、みなさんは本屋にいて突然の便意に襲われたことはありませんか?

学生時代は暇だったので本屋に長時間いることが多く、時々便意を感じトイレを探すことがありました。そう頻繁にトイレを利用するわけではありませんでしたが、男性用トイレの「大」は使用中のことが多かったため、行きつけの本屋の男性用トイレの場所、特にいつでも空いているところを把握していました。

今にして思えば、緊急時に使えるトイレの場所を把握しておくというのは、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群など、切迫した便意に襲われることの多い患者さんでは当たり前のことですが、その当時の私は無意識のうちに同じ行動をとっていました。そんな経験があったことから、医学的な知識を得ておなかの病気の患者さんと多く接するようになった時、わずかながらも患者さんの気持ちが分かるような気がしました。

それから長いときが経過しインターネットが普及してきた頃に、何となく「本屋」と「便意」などの言葉で検索し「青木まりこ現象」という言葉に出会いました。「青木まりこ現象」という呼称は、1985年にある雑誌に投稿された当時29歳の女性の体験談から発したもののようですが、それ以降本屋における便意についての研究が数多くなされていることに驚きを感じました。

さまざまなおなかの症状があるにもかかわらず、なかなか診断がつかず、悩みを抱えている人は少なくありません。長年悩まされてきた症状に名前がつくだけで、特に有効な治療がなくても何となくホッとすることも意外と多いものです。

おなかの病気の中には重篤な、緊急を要するものも多くありますが、はっきりとした原因がなく、ずっと付き合っていくようなものもあり、何となくすっきりしないことがよくあります。今までに出会ったいろいろな患者さんのことを思い出しながら、そんなおなかの話について書き綴っていきたいと思います。